オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「昨日の夜、一緒にいるとこを見たって人がいるのよ」
「そんなっ!困るよ!あれはただバイトが終わる時間が同じだったから一緒に帰っただけなのに」
「人気者の二人だもの。一緒にいたら噂になるのは当然じゃない」
…ん?人気者の二人?
人気者は蒼君だけでしょ?
私が意味がわからないと言わんばかりに首を捻っていると、
「忘れてた…柚姫は国宝級の無自覚でド天然だったんだ」
そう言って、凛子はため息をついた。
「凛子ヒドイ…私、天然じゃないもん」
「まぁ、いいわ。とにかく!過激なファンもいるから暫くは一人にならない方がいい」
「ゔ…過激って…どんな…?」
「例えば、体育館裏に呼び出されて囲まれたり。トイレに閉じ込められて水かけられたり。廊下歩いててぶつかられたり。あとはーー…」
「あー!もう…もう大丈夫です…」
聞いてるだけで、サァーッと血の気が引くほど恐ろしい。
凛子の言うとおり、一人にならない方が良さそうだよね…
凛子は私の肩にぽんっと手を置いて、「柚姫は私が守るから大丈夫よ」とウィンクした。