オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「柚姫、いい⁉店でナンパされても番号渡したりしたら駄目よ?店のスタッフにも要注意だからね!」

「え?ナンパ?」


真剣な顔をして何を言い出すかと思ったら…

そんなありもしない事を心配するだけ無駄なのに。


「大丈夫だよ。ナンパなんてされたことないし、私がされるわけないから心配するだけ損だよ」

「柚姫は自覚がなさ過ぎる‼だから心配なのよ、私は!」


自覚って…私は私なりに自覚してるつもりだけど。


この童顔がコンプレックスな私。

親友の凛子は大人っぽくて美人だし、周りの子だってちゃんと高校生に見える。

だけど私は高校の制服を着ているのに中学生に間違えられることもしばしばで。

そんな私は今まで彼氏がいたことも、それ以前に告白されたことすらない。


「さっきだって虫が寄ってくるのは自分が臭いからだって思ったでしょ⁉」

「え?違うの⁉」

「ちがーう‼虫っていうのは男の事よ‼」

「男⁈」


それじゃ、さっきのは変な男が寄って来るって意味だったの?



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