オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「まぁ、あの二人は飛び抜けてかっこいいもんな。あれは女なら放っとかないだろ」


仕事帰りの遣都さんが、湯気の立った珈琲をフーフー冷ましながら柔らかく笑った。


「柚姫、いい⁉︎くれぐれも蒼には近づいちゃ駄目よ!蒼からしたら柚姫なんて簡単に落とせるんだから」

「はは。ハルさんは相変わらずだなー」

「遣都!これは笑い事じゃないのよ⁉︎本当に蒼は危険人物なんだから」


大真面目にそう言うハルちゃんに、ただ呆れ笑いしか出ない。

心配してくれるのは嬉しいんだけどね…

ちょっと大袈裟なとこがあるんだよな、ハルちゃんは。

そうそう、ここがオープンしてからすぐに呼んでくれなかった理由も、“男性スタッフが多いから”って…

それだけの理由なんだって、本当にびっくりしたというか何と言うか…

…そういえば…


「ねぇハルちゃん。私のバイト初日に、うちには要注意人物がいるのよって言ってたけどそれってやっぱり蒼君のこと?」


< 52 / 251 >

この作品をシェア

pagetop