オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「そうよ!まさか二人が同じ学校だったなんて…同じ学校なら知ってるわよね?蒼がどれだけ女癖悪いか」
「…う、うん……」
「わかってればいいのよ」
そう言って、ハルちゃんは私の頭をぽんぽんっと撫でた。
わかってる…
わかってるけど。
蒼君の魅力的な一面を知ってるだけに、蒼君が来るもの拒まずのプレイボーイだなんて…
正直ショックが大きいんだ…
「遣都、最近忙しいの?隈出来てるわよ?」
私が接客中の蒼君をぼーっと見ていると、ハルちゃんが遣都さんの顔を覗き込んで言った。
確かに…光の加減で気が付かなかったけど。
綺麗な顔に隈が出来て、疲れた顔してる。
「ああ、新しいプロジェクトで帰りが遅いんだ。今日は久しぶりに早上がり」
「そう…課長っていうのは大変なのね…」
遣都さんは若くして営業課長に大抜擢された超エリートなんだと、ハルちゃんが教えてくれた。
「そういえば、遣都が初めてうちに来た時も疲れ果てた顔してたわよね?」
「そうそう、あの時は課長になったばっかで忙しくてさ。営業の空き時間にここ見つけて。ちょうど店も空いてたし、試しに入ってみたら珈琲とパンケーキがホント美味くて」