オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「やっと会えた…あれからすぐ番号変えちゃって全然連絡取れないんだもの」


ホッとしたのか、女性は「はぁ」と息をついた。

そんな女性とは反対に、卓人さんの眉間の皺がみるみると深くなっていくのがわかる。


「話があるの。卓人、誤解してるから…」

「…俺は話すことない」


怒りを堪えてるような低くて掠れた卓人さんの声に、今まで嬉しそうだった女性からはスッと笑顔が消え、悲しそうに眉を下げた。


「お願いよ…私の話を聞いて……」

「うっせぇな!しつこいんだよ!」


そう声を荒げると、卓人さんはもう一度鋭く睨みつけた。


「ーー…っ…」


肩をビクッと強張らせ、口元を手で覆う女性。

その大きな目には涙が溢れ、今にも零れ落ちてしまいそう。

だけど、卓人さんは女性に構うことなく、背を向けて帰って行ってしまった。


ちょっ…ちょっと!卓人さん、待って下さい‼︎

泣いてる彼女おいて行っちゃうんですか⁉︎

っていうか、この状況…私はどうすればいいの⁉︎



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