オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
蒼⁉︎今…はっきり蒼って言ったよね?
あ…どこかで聞いたことある声だと思ったら…
はっきり聞き取れなくてすぐわからなかったけど、蒼君だったんだ。
「どっちを取るって…参ったな…」
「噂になってるわよ?二人が付き合ってるって」
二人が気になって、見えやすい位置に少しだけ移動して棚の影からそっと覗くと、女子生徒が蒼君を壁際に追い詰めているのが見えた。
あの人…この前の朝、蒼君とぴったりくっついて登校してきたスレンダー美人の先輩だ…
蒼君は困ったように髪をワシャワシャと掻いている。
「それで?俺が柚姫ちゃんと付き合ってたら先輩に何か不都合でもある?」
「ーー…っ、それは…」
「それは何?」
「…っ…」
「はぁ…」
蒼君は溜息を吐くと、先輩の腕を思いっきり引っ張り唇を合わせた。
それは触れるだけのキスではなく。
熱く、深いキス。