オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「…んっ…そ、う……」
「こういうの、望んでるんでしょ?」
「好きよ…蒼が、好き…」
「俺もだよ」
先輩の甘い声が漏れる。
準備室内に淫らな空気が漂い始め、私は咄嗟に耳を塞いでその場にしゃがみ込んだ。
嫌…こんなの聞きたくない…‼︎
気持ち悪い…
最低だよ…蒼君……
どれぐらい経っただろうか。
昼休みの終わりを告げるチャイムと同時に、ガラッとドアが開く音がして、二人は出て行った。
私も行かなきゃ…
重い腰を上げ、世界地図を持って準備室から出た。
するとーー。
「覗き趣味?」
準備室のすぐ前で、ズボンのポケットに手を突っ込み壁に寄り掛かる蒼君。
ふっと口元に笑みを浮かべ、からかうような小悪魔な目付きで私を見つめてくる。
「ーー…ちがっ…そんなんじゃない!」
「くす。じゃあさ、これから俺とサボらない?さっきのより、いいことしようよ」