オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「さ、時間よ。蒼も柚姫も早く着替えて表出てね」
そう言って、ハルちゃん達はスタッフルームを出て行った。
一気に静かになる室内。
この沈黙が重い。
「あ、あの…昨日は…言い過ぎて、ごめんね」
理解出来ない行動だけど、あんな風に言っちゃったことを後悔してた。
あの時は一時の感情で、自分を抑えきれなくて…
あなたみたいな人嫌い、だなんて酷いこと言っちゃったから、ずっと謝りたかったんだ。
だけど…
「昨日?何のこと?」
「え?昼休みの…」
「それよりさ、早くしないとハルさんに怒られるよ」
蒼君はあっけらかんとそう言って、着替え始めた。
昨日のことなんて全く気にしてない様子の蒼君。
でも…そんな蒼君にほんの少しだけど違和感を覚えた。
だって、ここに入ってきた時からずっと…
私のことを見ようともしないから。