オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「お前には関係ない」
「関係ない、けど…」
「けど何?」
そう言う卓人さんの目は冷たく、一瞬で体が凍り付く。
「ーー…っ…」
「お前さ、人のことに首突っ込む前に自分のこと考えろよ」
自分のこと…
そうだ、卓人さんには泣いてるとこ二回も見られてるんだ。
蒼君にちゃんと謝りたい。
早くいつもの蒼君に戻ってほしい…
だけど、この避けられてる状況でどうすればいいんだろう…
「蒼はああ見えて弱い奴なんだよ」
「え…?」
「女遊びが激しいのも、ふざけた態度もその裏返しだ」
そう言うと、卓人さんはスタッフルームを出て行った。
裏返し?それって…どういうこと?
卓人さんの言葉が頭の中をぐるぐる回って、私は暫くそこから動けなかった。