オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
◇小悪魔の弱さ
数日後。
あの日以来、蒼君はバイトを度々休むようになった。
ちゃんと連絡は入れてるみたいだけど、ハルちゃんも並木さんも凄く心配してる。
学校では毎日のように蒼君の噂を耳にするようになった。
昼休みも放課後も、時には夜中まで。
誘えばいつでも誰でも“シテ”くれるんだと。
「蒼〜。今日放課後うちくるでしょ?」
放課後、掃除当番を終え昇降口に向かっていると、前から蒼君と女の子が歩いてきた。
この前の先輩とはタイプが違くて、下着が見えてしまいそうなぐらい短いスカートと大胆にワイシャツを胸元まで開けたギャルの女の子。
二人は、いかにも歩きにくそうなぐらいぴったりとくっついている。
目の前にいる私には目もくれずに…
「ん〜暇だし、いいよ」
すれ違い様に聞こえた台詞に、私は「蒼君‼︎」と声を上げた。
蒼君と女の子は怪訝な表情で足を止め、私を冷めた目で見てくる。
「今日はバイトでしょ?」