オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「蒼君、私に会うのが嫌なのかもしれないけど、でもバイトを度々休まれたら皆困るの。それにハルちゃんも心配してる」
「ちょっとおばさん、お説教ならうざいんですけど?蒼の何なの?もしかして蒼狙い?」
女の子はアイラインとマスカラで黒く塗りだくられた目で、キッと私を睨み付けてくる。
「別にお説教なんかしてない。蒼君狙いでもない。私はただのバイトの同僚でーー…」
すると、私が全て言い終わる前に、蒼君が睨み合う私達の間に入った。
「クビならそれでいいってハルさんに言っといて」
「え…蒼君……」
「そうそう、俺もあんたのこと嫌いだから安心して?からかってもつまんないし。今時、純情って流行らないでしょ」
そう言って、感情の読み取れない色素の薄い瞳で、嘲笑うように鼻で笑った。