オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「やだ〜!蒼、ひどいー!先輩、可哀想だよ?」
「もう行こうぜ。時間が勿体無い」
二人の声がどんどん小さくなる。
これが…蒼君?
蒼君のお面を被った赤の他人だよね?
絶対にそうだよね…?
蒼君の初めて見る一面に驚きとショックを隠しきれず、その場に立ち尽くした。
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その後、どの道のりで歩いてきたかもわからない。
気が付くと、カフェのすぐそばまで来ていた。
「はぁ…」
今日はバイト行きたくないな…
とてもじゃないけど、笑顔で接客出来る自信がない。
ハルちゃんも、絶対に私がおかしいの気付くし…
気付かれたら問い詰められて、洗いざらい吐かされそうだし…
こんなこと、誰にも話したくない。
今日はバイトを休んでしまおうか…
来た道を引き返そうと、体の向きを変えた、その時ーー。