オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
『ま、これは妄想好きな私の勝手な妄想。実際はわからないけど…でも、その澤村さん?裏があるわよ』
「う、裏って…?」
『柚姫には態度変えてさ、卓人さんが来たらコロっと笑顔になって。男の前ではいい子ちゃん振る女ってこと』
あの清楚で、可愛らしくて、女性らしくて、花のように笑う澤村さんが…?
外見からも、そこからイメージ出来る彼女も、凛子が言う“いい子ちゃん振る女”には到底遠い。
でも、今日一瞬だけ見せた澤村さんの一面を思い浮かべると、皮肉にもそんな女性に見えてしまう。
『それよりも、蒼君とはどう?仲直りした?』
「ううん…その逆。私、嫌われちゃったみたい。今日も結局バイト来なかったし」
『嫌われたってどういうことよ⁉︎』
「つまんないんだって…純情なんて流行らないって言われちゃった」
思い出すと、今でも胸がズキッて痛む。
人から“嫌い”って言われることが、こんなにも悲しくて辛いなんて…
私も蒼君に、同じことをしちゃったんだよね…