オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

吸い込まれてしまいそうなぐらい綺麗な漆黒の瞳。

奥二重の切れ長の目と凛々しい眉毛の幅は狭く、やや彫りが深い。

筋の通った鼻と薄い唇、シャープな顎のライン。

浮き出た色っぽい喉仏。

肌は少し焼けていて、細身で腕には筋肉が程良くついている。


私もハルちゃんも同じ制服を着ているのに、この男性だけ違うものを着ているようで。

パリコレモデルがテレビや雑誌から飛び出して来たかのように美しい。


かつて男性相手に“美しい”だなんて思ったことあったかな…

この人にはかっこいいよりもその言葉の方がしっくりくる。


「わかったわ。そうだ、卓人。この子に一通りの仕事の流れを教えてあげてくれる?卓人なら色んな意味で安心だし」

「え…俺がですか…?」


男性は明らかに嫌そうに怪訝な表情を浮かべた。

だけど、ハルちゃんはそんな卓人さんの反応を気にした様子もなく…


「柚姫。バイトリーダーの槙村 卓人(マキムラ タクト)君よ。彼に色々と教わってね」

「う、うん…」

「じゃあ卓人。お願いね」

「あ…ちょっ…」


足早にスタッフルームから出て行った。


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