オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「生意気なんだよっ‼︎」
そう声を荒げて、男の一人が蒼君の胸ぐらを掴み右手を振り上げた。
ーー…蒼君‼︎‼︎
「お巡りさん‼︎こっちです‼︎‼︎早く…早く来て下さい‼︎」
私は咄嗟に叫んでいた。
「やべ…行くぞ!」
男達はお巡りさんという単語に慌てたのか、私とは逆方向に一目散に逃げて行った。
「蒼君‼︎大丈夫⁉︎」
直様蒼君に駆け寄り、ハンカチを取り出す。
蒼君の制服はヨレヨレで、口の他に目の上からも流血している。
「大変!早く消毒しないと」
とりあえずハンカチで血を拭おうとすると…
「ーー…放っとけよ」
そう言って、手を払われた。
目も合わせず。
腕で傷口を乱暴に拭いながら。