君と図書室で




 泣きやんでからは他愛のない話をして笑いあった。

 …ずっと後ろから優しく抱きしめられたまま。




 帰りのHRに出た時は他の人の視線が痛かった。

 でも、大地君と一緒だから辛くはなかった。


 決めたんだ。

 大地君の彼女として恥ずかしくないように、強くなる。







「由佳、一緒に帰ろう。送るよ」

「え…そんな悪いよ」

「今日部活ないし、オレ彼氏なんだから甘えろよ」


 …うん。

 そりゃあ甘えたいよ。

 でもさ。

 HR終わってすぐ言うからさ、クラスメートみんな見てるって!

 恥ずかしいじゃん!

 女子からの視線が痛すぎる…。



「じゃあ帰るぞー!」

「「え?」」




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