君と図書室で

 そう言われて手をひかれてて教室を出た。

 私の手を引いている人は…


「明良君っ?!」

「明良?!」

「おう!帰ろうぜっ!」


 久しぶりに見る明良君の笑顔。

 …気まずい。

 あんなことがあったから。

 それなのに、私たちを助けてくれた。



「・・・」


 靴箱でいったん止まった時に、思い切って明良君に話しかけた。


「明良君。この間は…」

「んーん、この間オレもきつく言いすぎた」


 …その言葉は本音じゃないって知ってる。

 私のためを思ってわざとあんな口調で言ってくれたんだもん。




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