君と図書室で


 好きって自覚した瞬間、心臓が壊れそうに脈打ってる。


 ダメだダメだ!

 このままじゃ、好きって思ってるのばれちゃうよ!

 
 ど、どうにかして気を紛らわさなきゃ…。



「大地君、今日はどういう話を読みたい?」

「え?ん~…分かんねー」

「じゃあ、またいくつかお勧めしようか?」

「おう、頼むわ!!」


 
 あぁ…

 私、この笑顔に弱いみたい。

 
 早く本探さなきゃ。

 今顔見られたら、顔が赤くなってるのばれちゃう。




「じゃ、この間は物語だったから、今回はスポーツ系の話にしようかな?」

「お~」

「ん?…どうかした?」

「いや、どんな種類の本でも読んでるんだな、って思って」



 あ、確かに。

 言われてみればそうだな…。

 好きなジャンルとかはあるけど、全般読むもんな~




「そういうのってさ、意外とすごいことだよな」

「え、そ…そう?」

「そうだよ!本が苦手なオレからしたら、すっげー尊敬する!」

「!!」




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