君と図書室で
「由佳ちゃん?」
「!!…あ、ちょっと待ってね」
平静を保つのでいっぱいいっぱい過ぎて。
頭が本のことを考えられてない。
お勧めの本が何も浮かんでこない…。
「あっ」
今の青空の背表紙の本って…。
「やっぱり!」
正面の本棚に入っていた本を取り出す。
「ん?…『真夏の楽園』?」
「うん。恋愛も、友情も入ってて…私はお勧めなんだけど」
「おー…じゃ、読もうかな?」
今回もきっと気に入ってもらえるよね?
私、この本読んで男子の友情とか野球ってすごいなーって思ったし。
きっと感動してもら・・・ん?
「あ!その本サッカーじゃなくて野球が中心の本だった!」
「野球?」
「そう。ちょっと待って、サッカーの本探すから」
本を読むのが苦手な大地君は、サッカー関係とかの経験があって感情移入しやすい本の方が読みやすいだろうから。
「ちょっと待って」