君と図書室で

「すげぇ可愛いし」

「?!」



 そんなこと急に言わないで!

 顔が赤くなるのと止められなくなる!


 大地君はずるいよ。

 大地君のこと好きにならないようにしなきゃ、って頑張ろうとしてるのに…

 そんなこと言うんだもん。



「じゃあさ、オレが話しかけてあげるから」

「…分かった。頑張ってみる」



 そう言った瞬間、頭にほのかな温もりを感じた。



「よし、いい子いい子!」



 …大地君の手だ。


 “子供扱いしないでよっ!”

 そう言おうと思ったのに、口から言葉が出なかった。

 私を見つめる大地君の目が、あまりにも優しすぎたから。
 



「よしっ、それじゃあ話す練習でもするか!」

「え?」

「いきなり教室じゃ、ハードル高いだろ?だから今からちょっと練習しようぜ~」



 私のため…?

 ふ…二人っきりで??

 ささささすがに、ハードルが高い!

 しかも今の状況だとなおさら…


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