君と図書室で

 そう思った時、図書室のドアが開く音がした。


「あ、先生!」

「あら、今日も来てくれたのね?」

 
 ちょっと残念。

 …じゃない!!

 私は大地君の友達でいるんだから!

 好きじゃないんだから、これで良かったの!



「あ、どーも!…えーっと」

「あぁ、そうね。私は司書の円城寺、と言います」

「それじゃあ円城寺先生、由佳ちゃんのために友達と会話する練習に付き合ってください!」

「もちろんいいわよ~」



 よかった、先生とは話しやすいもん。

 っていうか大地君、ほぼ話したことない先生とも自然と話せてる…。

 凄いなぁ…

 私も大地君みたいになれるのかな?



「由佳ちゃん!」

「ふぇ?!」



 あーっびっくりした。

 また大地君に見とれかけてた。



「じゃ、やるか!まずは相手を名前で言うとこからな!それだけでもずいぶん変わるし」

「へぇ~!」


 だから、さっき先生の名前聞いたんだ。

 

「…ということで」



 あれ…

 なんでだろう?

 大地君の目が怪しく光った気がする…。




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