君と図書室で





 約束した放課後、私はいつものように本を読み始めた。



「あぁ~いい話だった。って、もうこんな時間!?」



 早いなぁ。

 やっぱり本を読んでると、時間の経過が早い。
 


「あ!」


 …ってことはもうそろそろ大地君たち来る?


「・・・・」


 早く来ないかな?

 …大地君に会いたいな。



  ガラッ…


「!!」

「やっほ~」

「光野君!」


 …あれ?


「大地がいないのがご不満ですか?」

「えっ?!」


 見透かされた?!

 っていうか、こんなに慌てたら、絶対不自然だって。



「そんなに慌てなくてもいいのに」

「う~…笑わないでくださいよ」


 どうやら、大地君だけまだ来てないみたい。

 …早く会いたかったのにな。


「由佳ちゃんってすっごくピュアだね~」

「!?」


 いきなりそんなことを言われて…

 恥ずかしくなって、つい下を向いてしまった。



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