君と図書室で

「どうもしてない!とりあえず本っ!!」

「え~…はーい」



 いけない、また勘違いするところだった。

 大地君が私のこと好きなんじゃないかって。


 私、知ってるもん。

 大地君は皆に優しいって。


 そして、誰一人として特別扱いしないこと。

 大地君が私に向ける笑顔も、他の女の子と同じだから。


 …だから。

 好きになっちゃいけない。

 好きになれば大地君が女の子といるのを見るたびに辛くなるから。

 私は、大地君の友達でいられれば、それで十分だから。


 大地君を見ていると切なくなるときもあるけれど…

 時間がこの気持ちを薄めてくれるはず。


 だから切なさを笑顔に変えて…

 今はただただ笑おう。


 私にはそれしかできないから…。





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