君と図書室で

「大地はさ、今までずっと女の子フり続けてるんだよね」

「うん」


 知ってる。

 大地君に彼女がいないことも…

 誰一人として特別扱いしないことも。


「でもさ、フるたびに大地も傷ついてんの」

「!!」

「申し訳ない、っていつも言ってる」


 それじゃあ、告白されるたびに傷ついてきたってこと?

 …今まで相当傷ついてきてるよね。


「それでもさ、女の子の方がツラいからって笑顔でいるんだ」

「…優しくて、純粋な大地君らしいね」

「うん」




 そんな大地君が好き、だった。





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