君と図書室で
「諸富さんって本が大好きなんだね」
「え…」
「ありがと、早速読んでみるよ…ってあぁー!部活始まる!」
「えっ?えっ?」
「それじゃあ、また明日ね!!」
わ、走るの速い…。
さすがサッカー部。
…でも図書室って基本的に走っちゃいけないよね。
「・・・あ」
本忘れていっちゃってるし。
副島君って意外とドジなのかな?
「やっベー!本忘れてた!」
…帰ってきた。
「先生!これ借りまーす!」
…あわただしい人だな。
「由佳ちゃんのお友達、元気な人だったわねぇ~」
「…そうですね」
先生、副島君は友達じゃないです。
しかも元気がいい…
っていうより良すぎませんか?
そう思ったけど言葉が出なかった。
「・・・・・」
私の見慣れてる図書室に見慣れない副島君が入ってきてたことに…
何とも言えない違和感を感じる。
「…じゃあ先生、私も帰りますね」
「は~い。さようなら」
この違和感の正体が分かる日には、私の中の何かが変わってる。
…そんな気がした。