君と図書室で

「…寺内さんからそんなこと言われたんだ」


　“あの日”あったことをすべて話し終えた後、明良君はそうつぶやいた。




「おかしいと思ってたんだ。あの日、あのタイミング…」


　ぶつぶつとつぶやく明良君の顔を見ていると、少し落ち着いた。


「明良君、ありがと」


　話を聞いてもらっただけで随分気持ちが楽になった。


「うーうん。これで大地と由佳ちゃんが話せるなら、お安い御用だよ」

「！…大地君と話すのは、無理…かな」

「はっ？！なんでっ！」


　あんなこと言われたら、不安になる。

　本当に大地君と話していいのか。

　それにまた何か言われたらと思うと…。


「・・・・」

「あーなるほどね。由佳ちゃんは自分のことが可愛くて仕方ないんだ？」

「！？」