君と図書室で
始まりの物語
「はぁ~っ」
昼休みの図書室で一人、深いため息をついた。
…やっぱり駄目だ。
明良君に言われて、大地君に話しかけようと思ってるのに。
大地君の近くにいつも誰かがいて話しかけづらい。
「…なんて。結局逃げてるだけなのかなぁ」
あーぁ。
あの頃に戻りたい。
離れて気づいた。
大地君と一緒に入れることがどれだけ幸せか。
そんな幸せに気付けなかった私はバカだ。
失って、初めて気づくなんてなんて情けないんだろう。