君と図書室で

 大地君は特別な女の子を作らない。

 っていうのは分かってたことで。

 つまり、フられるのは覚悟してたんだけど…

 想像していたのとは比べ物にならないショック。

 血の気が一気に引いた。


「だよね~っ!こんな地味で本オタクの子、大地君が好きになるわけないもんね!」



 …まるで私を欺くかのような言い方。

 でもそれに腹を立てる気力は残ってない。



「何言ってんの?」

「…?」

「え?」


 急に言葉を発した大地君の顔は…

 キュンとしてしまいそうな凛とした顔。


「読書大好きってこと、なんでバカにしてんの?レイちゃんこそさ、ずっと夢中になれるものあるの?」

「大地、君?」

「オレはさ由佳ちゃんのこと尊敬してるけど?」

「・・・!」


 なんで急にそんなこと言いたの?

 そんなこと言われたら泣きたくなる…っ。



 顔を上げると、まっすぐな大地君の瞳に射抜かれた。






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