君と図書室で
「今日朝来た時に細工してたんだ♪」
大地君は誇らしそうに、全然誇らしくないことを話し始めた。
大地君が言うには今日の朝、図書室に来た時に一か所だけ窓のかぎを開けていた、と。
…図書室に侵入するために。
「ほら、円城寺先生忙しそうで窓の鍵とか確認しなさそうだし」
…まぁ、あの先生のことならあり得る。
「それに図書室自体俺ら以外基本利用しないでしょ?だからいいかな~って」
…笑顔でそんなことを言うなんて恐ろしい。
「大地君、意外と悪ガキなんだね?」
「今さら?みんなが買いかぶり過ぎてる方が悪いんだよ」
「…ふふっ、なんか可愛いこと言うね?」
可愛いって言われて、拗ねてる顔も小さい子供みたいで愛くるしい。