結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】

私の思い

最初の結婚は24歳。翌年優奈が生まれた。

その頃には既に私たちは夫婦として違和感があった。

でも子どもも生まれて、なんとか関係を修復できないかと

私は一人もがき苦しんでいた。

1年後に美奈を妊娠した頃には、

夫が何を考えているのかわからなくなっていた。

そして、彼はそれから私を女として扱わなくなった。

美奈を産んだ直後、そんな大事な時期に

彼は私に何も言わずに突然仕事を辞めた。

産後家にいる私と仕事がなく家にいた彼。事ある毎に言い争いになった。

私はどうしてこの人と結婚したのかわからなくなり、

彼は怒りを物にぶつけていた。

それがいつしか、私に手を上げるようになり…

それからしばらくして、再就職した。

ほっとしたのもつかの間、新しく仕事を始めて落ち着くのかと思った

暴力がよけいにひどくなった。


私の実の父も母に暴力をふるい、ある日突然幼い私たちを残して失踪した。

苦労しながら私達姉妹を育てた母。

そんな姿を長女としてずっと見てきたからこそ私は絶対に

そんな男とは結婚しないと思っていたのに…

暴力をふるっていた彼もある日から突然帰ってこなくなり、

私は母と同じ道を歩むしかなくなった…

掌からこぼれていく幸せをどうすることもできなかった自分。

妻として落ちこぼれたのだと思った。
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