結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】
私は長い間、優奈と美奈の母として、そして時に父親の代わりもしてきた。

私にとって何より大切なものは娘達で、母親であることだった。

とりあえずそれ以外のものはいらない…

離婚が成立して元旦那との縁が切れた時、つくづくそう思った。

でも子ども達も小学生になっていて、手が離れてきていた…

30代だった私はこれからの人生を子ども達だけに捧げていくことに

どこかで虚しさも感じていた…

母はそうやって私たちを育ててくれ、恋をすることも再婚することもなかった。

今でも、遠くに住んでいるが何かがあったら協力してくれる

理解ある母には感謝してもしきれないくらいだと思う。

でも私は母と同じようにできるのだろうか?

それは…

それは無理なのかもしれない…


そんな心と躰の隙間に入ってきたのがあの人だった。

女としての躰の目覚め。あの人は私の躰を目いっぱい愛でてくれた。

子どもを産んでいてもそれまでに知ることのなかった

女としての快感を教えてくれた。

セフレからあることをきっかけに契約でお金を援助してもらう

妻公認の愛人になることを強要され…

それでも結局あの人との関係を断ち切れなかった私。

それが、あの人の転勤の辞令をきっかけに終わりが見えてきたその時、

私の目の前に突然現れたのが、5歳も年下のみずき君だった。
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