結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】

プランニング

「プランナーさん呼んでもいい?色々と説明してくれるんだって。

僕もメールと電話で確認して、とりあえず食事を予約して欲しいと言われたから

直接会って話をするのは初めてなんだけどね…」

そういいながら私の方を優しく見つめる。私が了承すると彼は手を上げ、

「すみません、食後に京極(きょうごく)さんを呼んでいただけますか?」


それからも食事は楽しく進んだ。

外で2人っきりの食事なんて…

考えたら一度もない。

付き合う前から食事に行くときは必ず美奈と優奈がいた。

それは彼がそれを望んでくれたからだ。


結婚して出産してからは外に食事に行くような余裕はなかった。

彼は本当に子ども思いで、家族思いの人だったから…

私達は新婚の夫婦といえども二人の時間は極端に少ない。

一応夫婦の寝室はあるが、晃希はまだ小さいので一緒のベッドに寝ているし、

娘達の気配を感じる家では、お互いに遠慮がないと言えば嘘になる。


普通の恋人のような時間もほとんどなかったんだと思うと、

みずき君に申し訳ない気持ちになる。


それでも二人の時の彼の甘さは、

年上の私が恥ずかしくて顔があげられないことがある位。

愛されていることを実感できるように、態度と言葉で示してくれる。


自分で約束した結婚式についても忘れずに、

きちんと考えてくれていたことがうれしかった。
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