結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】

家族のカタチ

「では、ご指名いただいたので…

まずは、結婚式を無事挙行することができましたこと、お祝い申し上げます。

この度佐々木君ご夫妻の入籍時から仲人を務めさせていただきました

田川と申します。実はうちも社内結婚でして…

うちの場合そちらにいる嫁は結婚を機に専業主婦になってしまいましたが、

ひな君は専門職としてとても優秀な人材なので、このままマイペースで

働き続けてくれると管理職側としてはとてもありがたいと思います。

ご主人の佐々木君も育児に協力的なようですし…

いつも仲睦ましい姿を会社で見せつけられて、微笑ましく思っています。

佐々木君とひな君ご家族、そしてご列席の皆様の末永い幸せをご祈念して…

かんぱ~い」


田川課長の乾杯のあいさつで、

お披露目の食事会という名の飲み会が始まった。

今回は1課と2課の飲み会も兼ねているので、これ以上の堅苦しいことなし。

それぞれが食事と交流を楽しんでもらうことがメインで、

最後に私達夫婦からそれぞれの両親に

感謝の言葉と花束を贈呈する予定だった。

私にとってはこれでも充分結婚式と披露宴をした気分だった。

高砂も、お色直しも、ケーキカットもなし…

それでも何よりも愛されていることを実感できる。

二人で作り上げた式は、シンプルで、アットホームだった。
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