結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】
言祝ぐ(ことほぐ)宴
同僚
田川課長へのあいさつを終え、他のテーブルに移動する。
そのテーブルは田川課長の課の面々が座っていた。
「さがらさんじゃなかった…
佐々木さん、ひなさん。この度は、おめでとうございます」
「おめでとうございます」
異動してきてまだ日の浅い大野萌愛(もえ)さんが、声をかけてきた。
そして隣にはおつきあいしているという
智樹(ともき)さんという同じ年の男性が座っている。
彼女の私に向けられる視線は憧れのまなざしで、
そのきらきらした瞳に見つめられるのは…
正直つらかった。
この頃、同じ部署にはめずらしい女性同士の同僚なので、
異動以来彼女と話す機会は多くなっていた。
必然的に遠距離恋愛中の彼氏の話も聞くことになった。
私がそういう恋バナに向いているのかは疑問だが…
彼女は離れた距離と気持ちをどうやって引き寄せ保てばいいのか悩んでいた。
そんな時に私の結婚式の話があって、
堅苦しい席じゃないから彼を誘ってみたらと促してみた。
彼女の同僚ばかりの祝いの席。普通なら断られるだろうに、
彼はこの機会にと参加を快諾して
今夜彼女とこのホテルに泊まる予定にしている。
彼も26歳の年にしては落ち着いて見える背の高い素敵な男性。
彼女の恋に役に立ったと思えば、嬉しい気持ちになる。
そのテーブルは田川課長の課の面々が座っていた。
「さがらさんじゃなかった…
佐々木さん、ひなさん。この度は、おめでとうございます」
「おめでとうございます」
異動してきてまだ日の浅い大野萌愛(もえ)さんが、声をかけてきた。
そして隣にはおつきあいしているという
智樹(ともき)さんという同じ年の男性が座っている。
彼女の私に向けられる視線は憧れのまなざしで、
そのきらきらした瞳に見つめられるのは…
正直つらかった。
この頃、同じ部署にはめずらしい女性同士の同僚なので、
異動以来彼女と話す機会は多くなっていた。
必然的に遠距離恋愛中の彼氏の話も聞くことになった。
私がそういう恋バナに向いているのかは疑問だが…
彼女は離れた距離と気持ちをどうやって引き寄せ保てばいいのか悩んでいた。
そんな時に私の結婚式の話があって、
堅苦しい席じゃないから彼を誘ってみたらと促してみた。
彼女の同僚ばかりの祝いの席。普通なら断られるだろうに、
彼はこの機会にと参加を快諾して
今夜彼女とこのホテルに泊まる予定にしている。
彼も26歳の年にしては落ち着いて見える背の高い素敵な男性。
彼女の恋に役に立ったと思えば、嬉しい気持ちになる。