結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】
「ひなさん、きれいです…」
私はその言葉に頬を染めた。
「もう~、いいおばさんをからかうのはやめてね。
主人が着てほしいって言ったからなの」
「そんな丈の短いドレスもいいですね」
「私の場合人前式だし、その後は自由に
ビッフェ形式でする披露宴のつもりだったから引きずり回すのもどうかなって…
いい年して足出すなんてね」
「そんなことないですよ。普段は見られない美脚、拝ませてもらいます(笑)」
「ほんとはだれにも見せたくなかったんだけどねぇ…」
みずき君がはにかみながら萌愛さんに向かって冗談めかす。
「佐々木さんが選んだんですか?」
「これは彼女が一人でだよ。さすがにドレスを新郎が式の前に見ちゃダメでしょ」
「でも一緒に選ぶって言うのも楽しいですよね…」
そう言いながら隣の彼を振り返る。
彼は彼女に向かって静かに微笑み返していた。
こんなにいい雰囲気なのに…
「佐々木さん、ひなさん。おめでとうございます」
今度は同じテーブルの湊(みなと)君から声がかかった。
「今日は出席してくれてありがとう」
みずき君が後輩に丁寧に声をかける。
湊君は萌愛さんと同期入社で、
入社後彼女とは違ってすぐうちの支社配属になった。
それから5年彼はまだ異動を経験していない。
私はその言葉に頬を染めた。
「もう~、いいおばさんをからかうのはやめてね。
主人が着てほしいって言ったからなの」
「そんな丈の短いドレスもいいですね」
「私の場合人前式だし、その後は自由に
ビッフェ形式でする披露宴のつもりだったから引きずり回すのもどうかなって…
いい年して足出すなんてね」
「そんなことないですよ。普段は見られない美脚、拝ませてもらいます(笑)」
「ほんとはだれにも見せたくなかったんだけどねぇ…」
みずき君がはにかみながら萌愛さんに向かって冗談めかす。
「佐々木さんが選んだんですか?」
「これは彼女が一人でだよ。さすがにドレスを新郎が式の前に見ちゃダメでしょ」
「でも一緒に選ぶって言うのも楽しいですよね…」
そう言いながら隣の彼を振り返る。
彼は彼女に向かって静かに微笑み返していた。
こんなにいい雰囲気なのに…
「佐々木さん、ひなさん。おめでとうございます」
今度は同じテーブルの湊(みなと)君から声がかかった。
「今日は出席してくれてありがとう」
みずき君が後輩に丁寧に声をかける。
湊君は萌愛さんと同期入社で、
入社後彼女とは違ってすぐうちの支社配属になった。
それから5年彼はまだ異動を経験していない。