結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】
私は部屋の端にあった灰皿を、中央のテーブルに持ってきて、
掌の中の小さくなった紙切れを乱暴に放り込んだ。
どこかにマッチはなかったかと、うろうろと部屋の中をあてもなく彷徨った。
ホテルの名前の入ったマッチを見つけ、
紙切れの入った灰皿を窓際に置き窓を開け放つ。
その脇に立ちマッチを2本取りだして擦った。
ボーっと小さな炎を上げるマッチ。さっき式をした時の茜色の太陽を想わせた。
目を細め、その炎をためらうことなく灰皿の中に投げ込んだ…
最初はチラチラとしていた火が、
何かをきっかけに一気にめらめらと燃え始める…
私の心もこんなふうに灼熱の炎に炙られるような罰を受けなければ
違う自分に生まれ変われないのだろうか?
改めて自分がどういう人間か、思い出してしまった…
私はその炎が燃え上がって完全に消えてしまうまで、
右手で灰皿を持ったまま、窓辺でただその恨めしい炎を見つめていた。
どのくらい時間が経ったのだろう…
部屋をノックされる音がして
「ひなさん…
ひなさん?」
あまり遅いからみずき君が迎えに来たのだろうか?
「は~い。ちょっと待って…
荷物持って行くから…」
私は灰皿をテーブルに置き、
何事もなかったように携帯をバックにしまい部屋を出た。
掌の中の小さくなった紙切れを乱暴に放り込んだ。
どこかにマッチはなかったかと、うろうろと部屋の中をあてもなく彷徨った。
ホテルの名前の入ったマッチを見つけ、
紙切れの入った灰皿を窓際に置き窓を開け放つ。
その脇に立ちマッチを2本取りだして擦った。
ボーっと小さな炎を上げるマッチ。さっき式をした時の茜色の太陽を想わせた。
目を細め、その炎をためらうことなく灰皿の中に投げ込んだ…
最初はチラチラとしていた火が、
何かをきっかけに一気にめらめらと燃え始める…
私の心もこんなふうに灼熱の炎に炙られるような罰を受けなければ
違う自分に生まれ変われないのだろうか?
改めて自分がどういう人間か、思い出してしまった…
私はその炎が燃え上がって完全に消えてしまうまで、
右手で灰皿を持ったまま、窓辺でただその恨めしい炎を見つめていた。
どのくらい時間が経ったのだろう…
部屋をノックされる音がして
「ひなさん…
ひなさん?」
あまり遅いからみずき君が迎えに来たのだろうか?
「は~い。ちょっと待って…
荷物持って行くから…」
私は灰皿をテーブルに置き、
何事もなかったように携帯をバックにしまい部屋を出た。