キライノカケラ
「かあさんも連れていってよ」

おかあさんが 慌てて

「何言ってるの。あなたたちを置いていけないわよ」

「俺たちなら もう高校生だし ある程度の我慢も
生活もできるしさ とうさん かあさんを一緒に
連れて行ってくれるわけにはいかないだろうか?」


私は千尋の隣で どうなるのか見てるしかなかった。


「やっと かあさんが幸せになったのに 一緒にいられないなんて
可哀そうだよ。連れて行ってやってよ。」

「千尋 あんた何を言ってるの。
ご飯食べたり家事したり 大人がいないと生活できないわ」

「俺はかあさんに幸せになってほしくて
この生活を選んだんだ。とうさんだってかあさんだって
本当は一緒にいたいだろ?」

「それはそうだけど……
そういうわけにはいかないのよ。」

「もう重荷になる年じゃないよ。
な?キョンタ 俺たちだけでやれるよな?」

突然ふられて 驚く

「あ うん大丈夫よ。
アタシもおかあさんからいろんなこと習ったし
もちろん千尋にだって手伝ってもらうから……」

おかあさんが泣きだした。
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