キライノカケラ
「キョンタが そばにいてくれてよかった」


そう 今 千尋が必要としてるのは
きょうだいとしての アタシだった・・・・・。


「あたりまえだよ 家族だもん
これからもずっと一緒にいるから・・・・・」



千尋がアタシに向かって 手を伸ばした。


「ん?」


「キョンタ・・・・・・」


アタシは千尋のそばに歩み寄る。


「ありがと あんとき俺の手 握ってくれて・・・・・」


「握らないと千尋が壊れてしまいそうだった」


「あんとき俺さ 死んでしまおうかなって思ってた」


「え?」


「絶望って怖いよ・・・・・俺は花を失ってからずっと
その闇にいたんだ。これから先の未来に 何の希望も持てないって
キョンタが俺の手 スゲー力で握ってくれた時……何か
よくわかんねーけどさ 闇が晴れた気がした」


「そんなこと考えてたなんて知らなかった」

千尋を失うなんて・・・・
アタシには 考えもつかなかっから


「花の真っ白な骨 めっちゃ綺麗だった・・・・」

また千尋の目から涙


アタシは千尋がどれだけ花を愛していたのかを確認してしまう。
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