キライノカケラ
相変わらず学校では他人の二人だけど 家に戻ると
計画表に基づき 役割分担ができている。

だいたい 千尋の時の食事はほとんど適当で
コンビニやファーストフードを適当に買ってきて

「はい~」

「食費がかさむんですけど~」

「弁当だけなら安いもんだろ」

「いいこと言ったくせに 口ばっかりだね」

千尋がアタシのほっぺを ギュッってつねった。


「DVだ!!」

アタシがついつい千尋を意識してしまう分だけ
必死に子どもに返って 千尋に接してしまう。

「キョンタはいつまでもガキだよな~
そんなんなら彼氏なんかできねーぞ」

「余計なお世話だもん」

「俺なんか 悩み多くて大変なのにさ うらやましいぞ」

「悩み無用って顔してっけど?
何 言ってごらん?アタシはこう見えて友達の
悩みとかよく相談されるんだよ。
聞き上手らしいけどね~」

「だろうな~経験なさそうだもん」

「って何?千尋の悩みって何?」


その時は 千尋の悩みなんか 本当にあるのかないのかさえ
わからなかったんだよね。


知らなきゃよかった……千尋の気持ちなんて……。 
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