キライノカケラ
千尋の部屋の荷物は パパたちが目星をつけてる家に
送って 千尋の部屋を作るらしい。

千尋は最低限の荷物だけで フランスに行くと言う。


「もう片づけてるの?」


「キョンタも急いだ方がいいぞ。
部屋も見つかったんだし そろそろ荷物まとめないと」


「めんどくさい・・・・」


「いいじゃん。今度のとこは
大学沿線だしさ めっちゃ通学楽だろ?」


「そんな問題じゃないよ」

千尋のイキイキとした様子が無性に腹が立つ


アタシを置いて
楽しそうにしてる千尋


ベットの戸棚に飾っていた写真盾をカバンに入れた。


「花も連れていかなきゃな」


花がいなくなって二回目の命日も終わった。
今年の千尋は落ち着いていて


もうそろそろ 花から解放される日も近いって
そう思っていたけれど


「花のおかげでさ 自分の将来真剣に考えたよ。
これがやりたいって思わせてもらえて俺はラッキーだな」


千尋の表情が輝いていて眩しくて
余計に自分が卑屈に感じた・・・・・・。
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