キライノカケラ
「キョン・・・・ちゃんって・・・
花の時 来てくれた?」


母親が戻ってきた。


「はい・・・・」
思い出されたくなかったけど今は千尋と
もう少し一緒にいたかった。


「あら すっかり美しくなって・・・・おばさん
わからなくてごめんなさいね。ほらこれ
クッキーのセット入れておくから~~」


「ありがとうございます・・・・」


「実はね主人 体調崩して店閉めることにしたんだけど
それを知った千尋が手伝いに来てくれたの。
それで今年はこうやってクリスマスケーキを
提供できたってわけなの。
立派になって主人と一緒に泣いちゃったわ」


本当に千尋は立派になって
アタシも眩しくて 真正面から見ることもできない



「お正月はキョンちゃんも帰るんでしょ?」


「え?いや まだ…・決めてなくて」


「千尋には帰るように言ってるのよ。
ご両親も会いたがってるだろうから 決めてないなら
キョンちゃんも一緒に帰りなさい!!
千尋だってもうずっと帰ってないって言うんだもん。
親だっていつまで元気かわからない年になったんだから
いい機会だから そうそう 帰りなさい!!」


花の母親はそう言うとニコニコしてアタシたちを見ていた。
< 149 / 204 >

この作品をシェア

pagetop