キライノカケラ
「マジ?」

アタシを送ってきた千尋が大声を出した。


「え?」


「いや だってさ……ここに住んでんだ……」


「前のとこは大学と提携してるアパートだったし
卒業と同時に立ち退きだもん~なんで?」


「俺のアパート………ここの一階だし……
キョンタ何階?」


「アタシは三階だよ……マジで?」


「マジでって言うのは俺のセリフだって……
嘘みたいなマンガか小説か?みたいな流れだな」


「いつから?」


「ん・・・・もう二か月くらいかな」


「今までどうして会わなかったんだろ・・・・」


「かえってくるの俺 遅かったし
朝はめっちゃ早いし……けっこう店に寝泊まりすることも
多いし……それにしても ビックリだよ」


「アタシもビックリした・・・・」


驚きのサプライズは嬉しかったけれど
自分のプライベートが千尋に知られるのは困ると思った。


「じゃあな」
千尋が玄関の前に車を停めた。


< 164 / 204 >

この作品をシェア

pagetop