キライノカケラ
「車使いなさい」そう言って花の母親が出て行った。


アタシは


一時間くらい千尋の仕事を見ていた。


「お店閉めるんだってね・・・・」


千尋の手が止まった。


「おじさん 手がきかなくなっちゃってさ・・・・・
まだまだ美味しいケーキたくさん作れたのにな……
おじさんのファンたくさんいるんだ。俺もまだまだ教えて
もらいたいことたくさんあったのに……」


「千尋はどうするの?」


「ん・・・・考え中・・・・・」


「またどこかに行っちゃうの?」


「考え中・・・・」


それ以上何もいうなってオーラが出てたから
アタシはそれ以上何も言えなかった。



行かないでって


もうどこへも行かないで・・・・・って


そう言えたなら・・・・・・



車の中でも これと言って会話が続かなかった。
アタシは必死に言葉を探すけど
見つからなかった・・・・・・・。
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