キライノカケラ
「明日仕事おさめだろ?
新年からまたやり直しだよ 俺もさ・・・・・」


お茶の香りが優しい


「千尋はどうするの?」
さっきそれから先がどうしても聞けなかった。


「また・・・・いなくなるの?」


鼻の奥がツンと痛い。



「俺さ あの店継ごうかと思って・・・・・」


思いもしない言葉だった。


「おじさんとおばさんの店がさ
ずっと俺の支えだったし おじさんの作るケーキが
いろいろ歩いてきたけど一番美味いんだ。
俺はさ今まで時間の無駄してきたなって……何でもっと早く
原点に戻って元気なうちにもっともっと
おじさんから学ぶべきことたくさんあったなって……」


千尋が玄米茶をすすった。


「うめ~~!!おじさんが好きなんだ。
パティシエが玄米茶って言うのもおかしいなって思ってたけど
お茶に合うケーキってさこれまがまたたまらない。
コーヒーや紅茶やココアだけじゃなくて
日本茶で楽しめるケーキを俺も作りたい……」


千尋の瞳が輝いていて見惚れてしまっていた。
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