キライノカケラ
こんなに近くにいるのに
もう花はいないのに


アタシと千尋の間には 花がいる・・・・・。


千尋の腕は 花をまだ抱きしめている。



「おばさんが 千尋に幸せになってほしいって
言ってたよ・・・・・」


「そっか?おばさんも俺に女っ気がないから
心配してくれてるんだ」


「花……花しかまだ愛せない?」



勇気を出して聞いてみた。



千尋は言葉を言おうとして 静かに笑った。



「アタシたちって……何か 寂しいね……
ちゃんとした恋ができないんだもん」



「俺は別に後悔とかしてないよ。
恋なんてしようと思ってできるもんじゃないし
いつか花以上に大切にしたいって思える人に出会えたら
花もきっと応援してくれるから・・・・・・
それまで急がない……まだまだ修行の身だしね」


千尋の眼中に 女のアタシはいないって
そう言われた気がして 切なくなった。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         




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