キライノカケラ
「キョンタとは何かさ 性別越えたほんとの兄弟みたいで
マジに楽しいんだ……これからもこの関係でずっといたいな」

性別越えた


本当の兄弟


千尋に 女と見られてないのはわかっていたけど

これっぽちも期待するなって言われたような気がした。


「なんで人間は恋をするのかな~恋なんかしなかったら
こうやって面白おかしく キョンタと笑って暮らせるのにさ」

どうしてなんだろう


アタシはどうして千尋に恋しちゃったんだろ


千尋はアタシの手をとって

「女としてさ 俺を見たら どんなふうに映る?」

千尋さっき性別越えてとか 本当の兄弟とか言ったくせに

「アタシは全部知ってるから……それに女としてって言われたって……」

「だよな~~キョンタには全部見せてっから
今さら女として何て言ったところで ごめんごめん
俺 今日は混乱しててさ 自分でも何言ってんだか……」

「うん…まぁ 早く立ち直って……」

「だな……」
千尋はまたソファーにひっくり返って

「三年片想いだからな~明日から花ちゃん見るたびに
辛くなるよな~告白なんかしなきゃよかったよ……」

天井を見ながら 千尋はそう言った。
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