キライノカケラ
歯が鳴ってガタガタと音を立てる。


千尋に抱えられて 自分の部屋に入った。


「俺の部屋とは 全然違うな~
キョンタの部屋って感じだ・・・・」


千尋はストーブをつけて 部屋の中を見渡して


「あ これ俺が書いた・・・」


アタシを振り返る顔があの頃の千尋だった。


学生の頃使っていた机はパソコンデスクになっていて
天板には


ぶーちゃんって書いてある。



千尋の母親が作るお菓子で太った時
書かれたいたずら書き


捨てられなくてずっと使っていた・・・・・。


「ごめんな ぶーちゃんなんて乙女に
俺もデリカシーなかったな・・・・・」



指でぶーちゃんを なぞる。



「なつかしいな・・・・あの頃のような気がするな」


楽しかったよね
千尋にまだ 恋をする前・・・・・・・
素直になって対等に戦えたあの頃・・・・・
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