キライノカケラ
二面性を持った 千尋の本当のすがたを知ってるアタシ


中学に入って アタシより背の低い

千尋がモテるのを聞けば 優越感で喋りたくなるけど
必死に我慢する……だって

一緒に住んでるなんて言ったら絶対
女子たちもウチへ遊びにくるようになるし
彼女たちと合せるのは正直学校だけで一杯一杯……


千尋は 勉強もよくできた。

「キョンタ」 千尋だけがアタシをそう呼んだ。

「何?」 わざとに気のないふり

「数学テスト何点だった?」

「ヤダ 教えない」

「じゃあ 俺の勝ちだな~」


夕食時 パパにテストの答案を渡す 千尋が
チラリとこっちを見た。

「すごいな 千尋~!!!
この間の中間の時も 満点だっただろ?」

「うん とうさんの家庭教師がいいんだよ」

恥ずかしそうに千尋は言った。

「そうか?アハハ~そう言ってくれると嬉しいな」

パパは嬉しそうに笑った。
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