キライノカケラ
「継続することにしたんだ」

隣の席の 花に 勇気を出して言った。


一瞬 重い前髪の隙間から俺を見て 無言で視線を落とす。


ほんと 俺 変わってるかも……
まったく無反応で いるかいないかみたいな花

だけど花は 誰よりも優しくて 
心が綺麗で 声がめちゃ可愛いの 俺だけの秘密……


中三になっていくうちに
入会者が増えて花と 席が離れてしまった。

出席番号一番の 花の後ろ姿を見る毎日・・・・


「よ!!」

無視・・・・・・

「じゃあな」

無視・・・・・・


ことごとく撃沈するほど無視されながらも
それでも 花が一瞬でもこっちを見てくれるのが
嬉しかったんだ。


「おまえさ 何でアイツに挨拶すんの?」

「え?」

「うちの中学で嫌われてるぞ
頭はいいけど 根暗だし 鈍いし」

やっぱりな・・・・・・
傷ついてきている顔してる


だから心を許してくれないんだ
俺を嫌いだから無視するんじゃないんだ


いつかきっと笑顔を俺のものにしたいって
強く想うようになった。

俺ってめっちゃ恋してる
そう思うとマジで笑えた。
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