キライノカケラ
花の志望校へは 正直ハードルが高ったけど
恋する俺は必死だった。

獣医になりたい

将来の希望がもう決まっているのがすごいと思った。

「千尋 何か急にでかくなったな~」

父が笑う。


「キョンタを抜かしてやった」

「そっか~頼もしいな~
早く千尋と酒飲みにいきたいもんだな」

父には感謝だ。


幸せそうに台所に立つ母はこんなに綺麗だったんだって
最近思わされる。

「美味しい~おか~さん」

キョンタが母の 得意のケーキに夢中になってる。


「キョンちゃん食べさせ甲斐あるわ~
千尋なんか 全然相手にしてくれないし~」

「おか~さん 
次はレアチーズ食べたい~~」

キョンタも母によく甘えてくれてありがたいと思う。

「おい 太るぞ!!」

最近気にしてることをわざとに言う。


「千尋 そんなこと言うんじゃないの!!」

母もそう思ってる様子がおかしいけど

キョンタの明るさは本当に可愛い・・・・・。
俺たちは片親で育ってきて やっとその親が幸せになった
だから同じ思いだった。

この即席家族を大切にしたいってこと。
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